各研究室紹介
虚血性心疾患
急性心筋梗塞をはじめとした急性冠症候群に対しては24時間体制で施行可能なカテーテル治療により97%を越える高い成功率を挙げており、大半の患者さんが2週間以内に退院しています。
例年、冠動脈造影は年間1100例、経皮的冠インターベンション(PCI)は年間400例以上施行しており、これを背景とした臨床研究を推進しております。
また、新しい薬剤や医療機器の承認を得るための臨床治験や治療法を確立していくための臨床試験なども積極的に行っており、常に最新の情報に触れることができます。
不整脈
多種多様な不整脈に対応した検査・治療法
不整脈といっても、突然死を来すものから、症状の全くない心室性期外収縮まで予後や、症状まで多種多様で、それを評価し、治療していくのは容易ではありません。
当科、不整脈グループは心電図検査からデバイス治療、アブレーションまで多種多様な不整脈に対応することができるような体制をとっております。
デバイス治療は、徐脈性不整脈に対するペースメーカー治療、心室細動など致死的な頻脈性不整脈に対する植え込み型除細動器治療、慢性心不全に対する両心室ペーシング治療を行っております。年間、ペースメーカーは80例、植え込み型除細動器および両心室ペースメーカーは20例の症例を行っております。
また、頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーションに関しては、WPW症候群や、発作性上室性頻拍に対するアブレーション治療に加えて、心房細動(発作性、慢性問わず)に対するアブレーションの症例も確実に増加しております。現在、年間約100例施行しております。
様々なセクションと連携した研究が可能
適応の決定や、重症度を評価するための検査は、不整脈診療で非常に重要ですが心電図室と連携しながら、多くの検査が可能です。
失神などは致死性のものからそうでないものまで、さまざまなものがありますが、当院ではヘッドアップティルト検査、植え込み型心電図モニター、心臓電気生理学検査など侵襲性検査から非侵襲性の検査までさまざまなものが可能です。
研究テーマは、今後症例が増加すると予想される心房細動のアブレーション成功予後因子、慢性心房細動に対する新たな治療方法の模索、心房細動と血栓塞栓症の予測因子など様々なセクションと協力してデータを出していく予定です。
当循環器センターは、循環器内科、心臓血管外科が配置され、虚血性心疾患や心不全に対する治療がバランスよく施行でき、不整脈だけではないトータルな治療ができると自負しております。
心血管イメージング
循環器疾患の診断・治療において、画像診断の役割は非常に大きいものです。画像診断グループは、心血管超音波検査、心臓・冠動脈CT検査、心筋シンチ検査、心臓MRI検査を行い、心血管疾患の診断、治療効果の判定をしています。
特に、心血管超音波検査と心臓・冠動脈CT検査に力を入れております。
超音波検査では、ルーチン検査に加え、3D心エコー検査、経食道心エコー検査、負荷心エコー検査などを習得することができます。
また、血管エコー検査も積極的におこなっております。循環器内科には脈管専門医1名、中央検査部にはCVTの資格を持つ3名の検査技師がおり、頸動脈エコー、四肢動静脈エコー、腎動脈エコー検査、FMD検査などを習得することができます。心臓・冠動脈CT検査は、放射線科と協力し、年間約400例の検査を行っています。
循環器センター内に専用の画像解析用ワークステーションを完備し、迅速な解析が可能となっております。冠動脈疾患の診断だけでなく、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)の術前診断や、心房細動アブレーション前の左房および肺静脈評価等その適応領域は広がっています。
また、研究面では、心臓CTの多施設共同研究への参加、冠動脈CT検査の冠動脈インターベンションへの応用をはじめ、心血管超音波検査に関する研究を、国際学会などに発表しています。
画像診断に興味がある方は、ぜひ一緒に仕事をしましょう!!
血栓・血小板機能
われわれ血小板チームは、主に循環器疾患における抗血小板薬の効果について研究しています。
血小板凝集能の標準的検査である光透過法をはじめ、Verifynow system、フローサイトメトリー法を用いた血小板表面抗体の測定、また、P2Y12遺伝子多型の解析などを行っています。
現在、上妻教授をはじめ、准教授1名、助手2名、臨床検査技師1名が主となり、学会発表や論文投稿など積極的に活動を行っています。
チームの雰囲気はとても和やかで、教授の指導も的確であり、かつ大学院生の研究をサポートする体勢も万全に整っています。
私たちと研究を希望される方はぜひご連絡ください。